問いのコミュニティ
ことばは、ものの見方を決め、
ときに判断を早く固めてしまう。
一方、
ことばは、ものの見方を変え、
判断をつくり変える。
「問いのコミュニティ」は、
そうした「語」のはたらきを問いながら、
ことばを受け取る感覚 と
名づける感覚を養う場です。
たとえば、ある職場やコミュニティにいる特定の人物を
「困ったひと」と呼ぶことで、何が動き出してしまうのか。
悪印象を喚起する短い記号は、流通速度が速いものです。
脅威につながる情報に、ひとは注意を向ける傾向があり(negativity bias)、
また、ゴシップには「社会のリスク管理」としての機能もある(R. ダンバー)。
このため、危険や脅威につながる存在は共有されやすく、
悪い噂ほど拡散しやすい。
「A銀行は危ない」という噂が、
人々の一斉の預金引き出しを招き、
本来は健全だった銀行を
本当に破綻へ向かわせてしまう。
初期の誤った信念が、
当初は存在しなかった事態を
生みだす典型例である。
(予言の自己成就, R. マートン)
不安を喚起する。
自分にとって重要。
しかし真偽が曖昧。
とりわけこれらの条件が重なると、
噂や短い記号は広がりやすくなります。
ここで銀行の話は、
経済の話として置かれているのでも、
噂の話として置かれているのでもありません。
「危ない銀行」という語は、
単なる記述や発言ではない。
その語が人々の行動を方向づける。
「危ない銀行」という語が流通し、
人々がその語を受け取り、
判断が形成され、
預金を引き出すという行為が起き、
銀行経営が悪化し、
行政や金融当局が対応する。
つまりここでは、
名づけ → 判断 → 行為 → 社会的応答
という連鎖が可視化されている。
冒頭にある
「ことばは、ものの見方を決め、
ときに判断を早く固めてしまう」は、
この事例が示している現象を、
より一般化した表現です。
「問いのコミュニティ」では、
ことばが判断にどう作用するかを捉え、
さらに、
その判断が、社会的な意味づけや
制度的応答を生む過程を扱います。
一つのことばをどう受け取り、
ある対象を、どう名づけるか。
こうした小さな判断の累積が、
大きな構造をつくっていく。
参加者は
ここでの発話や対話を通じて、
既成語で反射的に済ませるのではなく、
現象をどう呼ぶか、
自分の経験をどの概念に接続するか、
どの語で捉えるかを問う。
こうして各人が
自分のことばの感触を試しつつ、
本来の活躍の場である、それぞれの
projectやinitiativeへと戻っていきます🪶
こうした立場にいる方へ
①プロジェクトの方向を考えるなかで
自分でことばを選び、
判断していく立場にいる方
②新しい事業、制度、
組織改編、技術導入など、
「 次を創る 」 責任を担い、
どのことばで進むのかを、
自分で決め、表現する立場にいる方
ここでは、場や事業や組織を
固定したものではなく、
日々の「ことばと判断」のなかで、
つくられていくものとして捉えます。
開催情報
2026年7月15日(水)
19:00〜21:00
参加方法
オンライン(リアルタイム開催)