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​「問いのコミュニティ」開設の背景  Ⅱ
   —文明社会編 —

 

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  一人の判断は時に重く、時にささやかに見えるが、

  何百、何万、何千万という判断が積み重なると、

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  市場になり、

  法になり、

  教育になり、

  人工知能の学習データになり、

  文化になり、

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  最終的に文明になる。

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  つまり、

  文明とは、判断の堆積です。

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「判断の堆積」は、

  ともすれば過去が未来を一方向に規定する図式

  として読まれることがある。

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  しかし、ここでいう「堆積」は、

  判断が連続的かつ直線的に積み重なることを意味しません。

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  文明の形成には、判断の反復や継承とともに、

  断絶、攪乱、侵食、再配置、非連続的な変化が含まれます。

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  地層が、隆起、侵食、再堆積、断層化を経て形づくられるように、

  文明もまた、過去の判断が保存される過程と、

  変形され、失われ、組み替えられる過程とを通じて成り立つ。

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  したがって「判断の堆積」とは、

  累積的・直線的な歴史観を指すものでも、

  その反対に、非連続性のみを強調する歴史観を指すものでもない。

  連続変化と非連続変化の双方を内包した形成プロセスを指します。

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  その上で、文明と判断のあいだに生じる運動を素描する。

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  a. 文明は、判断の歴史的な堆積である。

  b. 人間は、その文明のなかで判断を学び、行為を重ねる。

  c. その判断は、ことばや記号によって方向づけられる。

  d. その積み重ねが、新たな文明を形成する。

  e. その文明が、次の世代の人類の条件になる。

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「問いのコミュニティ」は、

  このうち c.に焦点を当てています。

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  ただし、ことばや記号を単独で扱っているわけではありません。

   aからe.へと続くダイナミクスの中に、c.を位置づけています。

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  このことから、「問いのコミュニティ」が扱う基本的設問は、

  大きく言えば、以下の二つです:

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(1)文明のなかで、判断がどのように形成されるか

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  ここでは、文明を、人間・機械・自然の相互作用によって形成される環境

  として捉えます。そのなかで、人類の諸活動で起きている判断形成の機構

  を見ていきます。

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(2)日々の実践の場で、ことばは、どのように判断を形成するか

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  職務/生活/個人単位の判断もまた、ここでは重視されます。

(1)と(2)は切り離せないからです。

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「問いのコミュニティ」で取りあげていることを慎重に、

  しかし一言でいえば、

​

  文明社会における判断形成のエコロジー

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  です。

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  Ecologyという以上、一人ひとりの人間もまた、

  判断の連鎖や判断の生態系に作用し、影響を受けます。

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  だからここでは、文明社会における判断形成の動態を見ながら、

  日々の場で使われる一つひとつのことばにも目を向けます。

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  この双方を扱う場として

「問いのコミュニティ」は開かれています。

   関連ページ:

「問いのコミュニティ」開設の背景  Ⅰ

   ​             —人間行動編—

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